紺青Diary

国際政治とアメリカ留学

アメリカ大学院挑戦記(5)出願先決定とwaitlistに乗った後の対応まで

こんにちは、前回は奨学金について書きました。

今回は出願先決定について簡単に述べた後、waitlistに乗った後の対応をまとめて書いてしまいます。また、このシリーズは今回で最後にしようと思います。本当はもっと書くつもりだったんですが、気乗りするタイミングを待っていたらもう学期が始まる直前になってしまっていて、あまり書く時間がないというなんとも情けない形になりました。

 

・出願先の決定

まず、出願先の決定に関しては、興味が合致し、かつ、他大学に移籍しなさそうな教授が複数いることだったり、街との相性だったり、US Newsのランキングを参考にしようだったりというのは他のブログでも述べられていると思いますが、私もそれらを参考にして出願先を決めました。夏くらいから各大学のホームページを見始めて、情報をまとめ出しましたが、各大学の教授の業績を見たりするのはモチベーションも上がりますし、どの大学にどんな教授がいるのかについて知識が増えるので非常に参考になりました。また、この過程を経て、有名大学だからといって興味があう人ばかりじゃないし、特定の分野に限ってはいわゆるランクが逆転する場合も多々あるということが実感できました。以下は当時作成していたスプレッドシートのスクショです。こんな感じにまとめてたよという感じで参考になれば嬉しいです。(忘れていましたが、UT Austinに優先度で1位、コメントでvery very goodと書いてあるのを見つけて最初から関心は合っていたんだなと思いました。)

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私がここの段階で悩んだのは、一体どれくらいまで出願先を増やすのかという問題です。結論としてはPhDには11校、マスターには4校、計15校出願したのですが、特にPhDに関してはもう少し増やそうか悩みました。前の記事でも言った通り、申請書類は共通しているため出願先を増やすのは手間的にはそれほど大きな負担ではありません。また、出願先を増やせば増やすほどどこかに引っかかる可能性は高くなる気はします。一方で、出願には1校につき約8千円〜1万5千円のお金がかかることや、急に申請校を増やした場合の推薦者への負担などを考えると、無闇に増やすのは得策ではなさそうです。私の場合、今年ダメだったら来年も再挑戦する予定だったので、あまり滑り止め的な感覚で増やすのはよくないと思い、また、金銭的な制約もあったので、US NewsでTop30以下の大学はとりあえず出願先から外すことにしました。

 

また、Masterに関しては指導教官からあまり全落ちするものではないので、数校で大丈夫だということだったので4校に出願しました。マスターの場合注意が必要なのは、政治学周りのマスターコースというと公共政策大学院が圧倒的に多く、Political Sciencene学部に直属するリサーチ型のマスター(正確な呼称ではないかもですが、他に呼び方を知らないのでここではこう呼びます。)をおいている大学は少ないということです。もちろん、公共政策大学院でも十分研究ができるところはあると思いますが、掲げている看板が実務家養成なので不安は残ります。その点、PhDへのステップとしてリサーチ型のマスターを置いている大学は比較的安心できる気がしました。例えば、New York UnniversityやColumbia Universityなどがあるかなと思います。ただ、この点に関しては情報が非常に少なく、ここで述べていることも推察の域を出ないので注意してください。また、どの大学がリサーチ型のマスターを置いているかをまとめて調べるのは難しく、既存の検索サイトは広告などで汚染されてるので、直接大学のサイトに行って調べてました。

 

・出願後

出願したら、あとは結果を待つだけなのですが、大体1月末くらいから結果が出始めます。それまでの間に、書類の不手際やOhio Stateからオンライン面接の連絡が来たりしました。また、その頃は、GradCafeとよばれる匿名掲示板に入り浸って他人の(真偽の不確かな)情報を漁ってました。そして、2月1日の午前4時頃にUT Austinからwaitlistに載った連絡が来て(なぜかその時間に起きてました)、飛び上がったのを覚えています。何しろwaitlistに残るだけで奇跡的だったので。最初の頃は結果が来てドキドキし不合格になると一丁前に落ち込んだりするのですが、その後はあまりに不合格が続くのでだんだん新しいメールが来てもまた不合格だろという感じになっていました(し、実際いくつかのマスター以外は不合格でした)。

 

・waitlistに載った後の対応

ここではwaitlistに載った後の対応について簡単に残しておこうと思います。注意点としては、他の大学のwaitlistに載った経験がないのでここに書くことが他でも当てはまるわけではないこと、これをやったから最終的に合格したのかと言われると怪しいということでしょうか。

 

waitlistに載ったメールにVisit Day(各大学が合格させた生徒を呼び、実際に交流しながらその良さの大学を伝えるイベント)へのお誘いが載っていたので、各方面に相談したのちに参加することにしました。指導教官によると、既にwaitlist内での順位は決まっているので今から何もできることはないとのことでしたが、アメリカの大学にふれる良い機会でしたし、頼んだら航空券代も全額大学持ちにしてくれたので、参加して損はないと思いました。

 

Visit Day自体は3月の初旬に行われました。ちょうどコロナがで始めた頃だったので、これより後に予定を組んでいた大学ではVisit Dayができなかったところもあったようです。またその頃、JASSOの奨学金の結果も出たので、奨学金をもらえることを先方に伝えました。

 

Visit Dayはとても楽しかったです。普段経験しないようなアメリカのパーティーを経験できたり、有名な研究成果を出した教授が目の前にいたりするので、楽しくないわけがありません。院生によるポスターセッションもあって刺激にもなりましたし、実際に話すことで教授・院生の人柄の良さも実感としてわかりました。また、合格の可能性を少しでも上げるために、Visit Day前から各教授の論文に簡単に目を通しておき、一対一で話せる機会に教授に積極的に質問をするようにしました。その過程でIR分野の合格者を決めている教授を知ったので、VIsit Day終了後すぐに、進学する意思があること、そして再度奨学金を持っていることを伝えました。

 

帰国後、何度か結果はまだかという連絡をした後、4月の初旬にwaitlistからの繰り上げ合格の連絡を受けました。メールを見た瞬間、思わず「やったー!!」という声をあげたこと、そして、早朝だったにもかかわらず嬉しすぎて親にすぐさま電話をしたのを覚えています。確か4月15日まで大学側から決定を催促してはいけないという大学間で取り決められているルールがあり、通常の合格の場合でもその日までに入学するかどうかの決定を求められます。逆に言えば、waitlistに載った人にはその日までには連絡が行く場合が多いのかなと想像します。

 

以上、waitlistに載った後のことを書いて来ました。個人的にはwaitlist に載った後のVisit Dayには絶対行ったほうがいいと思います。少しめんどくさい気持ちもわかりますが、行ってみると純粋に楽しいですし、もし繰り上げ合格しそこに進学したらそこで5年間以上過ごす可能性があるわけですから、人や場所が合うかどうかを見極め絶好のチャンスだと思います。また、(先ほどの指導教官と言ってることが逆になってしまいますが)Visit Dayに行くことで繰り上げ合格の可能性が上がることもないわけではないとは思います。というのも、合格後に過去に教授とUT Austinの在学生とのやり取りをみる機会がたまたまあったのですが、そこではコホートの男女比やcoloredの人が入っているかといった点を気にしていました。ということは、waitlistの中である程度の順位は既に決まっていたとしても、教授の裁量で特定の人をpick upする可能性がないわけではないわけで、その点Visit Dayに参加して教授に良い印象を残しておくことは悪くない戦略だと思います。

 

これでこのシリーズはいったん終わりです。駄文にもかかわらず辛抱してここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。また質問等あればお気軽にどうぞ。