紺青Diary

国際政治とアメリカ留学

アメリカ大学院挑戦記(4)奨学金について

前回は申請書類について書きました。今回は奨学金についてです。前回の記事を書いた後、連続して書いてるので、この記事はさらっと終わらすと思います。

 

私の場合、PhDに受かる可能性は非常に低いと思っていたため、海外の修士課程に進学することを念頭に置いていました。そしてその場合、莫大な学費がかかるため奨学金は何がなんでも取らないといけないという状況でした。アメリカのPhDだと学費・生活費はかからず、奨学金の獲得は必須ではないため、修士を併願することで生じた通常の米国PhD挑戦とは異なる点だと思います。

 

また、私の専門分野だと応募できるところが少なく(民間奨学金の多くは理系・経済分野を念頭に置いている)、学部生だと出願できないという制約があるもの(経団連、吉田育英、フルブライト等)もあったため応募できる奨学金を探すのに苦労しました。

 

その上で私が受験したのは、JASSO、伊藤国際教育財団、平和中島財団、村田海外留学奨学金、ロータリー財団です。結果としては、JASSOは合格、村田は書類審査、一次面接通過後、最終面接落ち、ロータリーは書類審査通過後、一次面接落ち、伊藤国際と平和中島は書類審査落ちでした。JASSO以外の奨学金は数人〜10人少しの合格に対し、数百人が応募するという競争率で、かつ他分野の人との競争になるため個人的には合格しなかったという結果に納得はしています。

 

とりあえず、出願資格があるなら多少条件が悪くても手当たり次第出したという感じです。個々の奨学金について書いていきますが、細かい条件などは書かないのでご自分で確認してください。ここではあまり表面に出てこない実際に受けた感想などについて書いていけたらいいなと思います。また、落ちた財団についての記述はあくまでも落ちた人が書いている内容だということ(つまり、自分が進んだところ以上のことはわからないし、その内容は無意識的に悪く脚色されている可能性があるということ)をご留意ください。

 

・JASSO

JASSOについて書いていたら公開するのに適切な文体ではなくなってしまったので(かつ適切な文章にするのに大きな労力がかかるので)省略します。少々準備が大変ですが、競争率は他の民間奨学金より低いので、他の奨学金が全落ちしたときに備え出願するのは悪い戦略ではないと思います。また、面接官には専門の先生が含まれて、割と鋭い質問も飛んできますし、申請書もアカデミックな観点から見られている感触がしたので、その点は注意した方がいいかもしれないです。

 

・村田海外留学奨学金

最終面接で落とされましたが、非常に印象が良い財団です。申請書類も大変ではなく、京都で行われる面接の交通費も毎回全額支給してくださりました。(例えばJASSOの場合、少なくとも私のところには交通費について何も連絡はありませんでした。地方からの出願者は自腹だったのでしょうか...?)また、面接の際、出会えた人たちとは意気投合して今でもオンライン飲み会などをしています。

最終面接での簡単な反省点としては、他分野の人と競争する際、専門的な知識では差がつきにくいので、社会をどう良くするかについてビックピクチャーを持っていくこと、そして他分野の人にもわかりやすい説明を心がけることです。ちなみに、村田の募集要項では政治学は募集対象外なのですが、法律が募集対象になっていました。関連分野なら割と広く受け付けてくれるそうなので、この奨学金のために国内法と国際政治に関わる研究計画を新しく作って申請しました。

 

・ロータリー財団

ホームページからではあまり実態がわからない財団です。全国を地区に分けそれぞれがそれぞれの地区を担当しているという感じなのですが(間違っていたらごめんなさい)、自分が住んでいる地区を探してそこに電話をかけると奨学金の申請方法とか色々教えてもらえると思います。ただ、個人的にはここは応募しなくてよかったなと感じてる財団です。というのも、あくまで印象論ですが、支援内容や面接での雰囲気として、海外の修士課程に出願するNGOなどで働く実務家を支援することを主にしているのかなという感じで、あまりアカデミックな雰囲気を感じず、自分が落ちるのも納得だし、仮に一次面接を通過したとしてもその後落ちてただろうなと感じたからです。もう少しホームページからわかる情報が増えれば、このようなミスマッチも防げるのではないかなと思います。

 

・伊藤国際教育財団

昨年の誕生日とその前日を返上して申請書を書いた思い出がある財団です。申請書自体は割と大変で、書いても書いても終わらずマクドで夜中まで書いていました。書類審査で落ちたのでこれ以上特に書くことはないのですが、一点加えるならもう少し申請書の量は少なくてもよかったのではという気はします。落ちた後の虚しさが半端ないです笑。

 

・平和中島財団

こちらは打って変わって、申請書が非常に簡素でした。(確かA4で1-2枚でした。)申請書が簡素だと申請する瞬間は楽で嬉しかったのですが(当時は英語の試験対策や授業で忙しかった)、後から考えるとあれでちゃんと数百人の応募者をふるいにかけられているのかは気になりました。もしかしたら、こちらが書く申請文以外の判断材料が大きいにかもしれません。

 

今回は以上です。当時は何がなんでも奨学金に受からなければ後がないという感じだったので、手間や競争率を考えたらあれはいらなかったなというのもまあまああります。まあ全ては結果論なんですが。ただ、内定して思うことですがJASSOの奨学金は色々と融通が効かない印象があるので、特に今回のコロナのことも考えると、民間の奨学金を取れるなら取っておいたほうが良いとは思います。

 

次回は出願校の決め方とwaitlistになったときの対応について書いていきます。